■設立は昭和22年

  酒田法人会は、昭和22年8月「酒田法人協会」として設立されました。昭和21年11月に石巻法人会が全国に先駆けて誕生しましたが、酒田法人会は全国で5番目の設立でした。
 当時、法人税が賦課課税制度から申告納税制度に移行したばかりで、税制度への理解を深めるために納税者自らが自発的に会を発足したものです。
 今となれば、「法人会」という名称では何のための会なのかわかりづらいのですが、当時は 他に先駆けた法人の会なので、そのものズバリの名称を採用したものと思われます。

■それから現在までの経緯

 その後、酒田税務署管轄飽海4町を加えて支部として組織化し、昭和56年10月には社団法人として認可され、更に平成24年には公益社団法人となりました。
 その間、組織としての陣容を整えるとともに、会員拡大に向けた取り組みを強化し、昭和61年には会員数が千人を超え、翌62年には加入率が70%超えを果たし、以来、平成5年の76.6%をピークに、平成29年までの31年間、加入率70%を維持してきました。
 現在は、加入率60%台で、1,200企業の会員数となっています。

■税のオピニオン・リーダー

 酒田法人会の長い歴史の中で変わらないのが、会の理念です。「税のオピニオン・リーダーとして企業の発展を支援し、地域の振興に寄与」すること。そのために、私たち自らが税を深く理解していく必要があります。
 税改正は毎年のように行われています。会報やパンフレット、ホームページなどを通して情報提供していきますので、税理士などの専門家に任せるだけでなく、アンテナを高くして、肝心のところは経営者として自ら的確に判断していきたいものです。

■酒田法人会の魅力

(1) まずは法人会に加入することで、酒田にあってそれだけで一つの位置づけ(ステータス)であり、税に関心を持つ社会的信用を備えた法人だといえます。

(2) 「経営者大型総合保障制度」は全法連の働きかけによって生まれた、他に例のない生命保険と損害保険が一体になった保険です。その後も法人会の希望により新しい保険が生まれており、そうした働きかけも可能ですし、保険に限らず、会員企業の福利厚生に対する取り組みを応援していきたいと思っています。

(3) 組織的には「緩やか組織」であり、参加したい事業(講習会・研修会等)を選んで参加すればいいし、会員が喜んで集まれる場(サロン)と考えれば、身近で楽しく役立つ組織と言えます。

(4) とりわけ我が法人会の活力源である「青年部会」、女性の視点で発言力を増す「女性部会」、そして経理・財務の専門家が集う「研修部会(三水会)」の活動は活発です。毎月のように集まって、研修・講習会の開催や社会貢献事業等、無理なく参加できて、役に立つ企画・実行する力は注目に値します。

(5) 酒田の組織率の高さは県内、東北のみならず、全国でも上位にあります。主要な法人もおおよそ加入しており、異業種交流の場としても大変貴重な組織といえます。多数の経営者が集まれば、それだけで刺激にもなりビジネスチャンスも生まれるというものでしょう。

■「民活」の酒田

 歴史ある酒田は、かつて港の繁栄を誇り、日本では堺に匹敵する稀に見る「自由都市」で、いわゆる「民活」の原点ともいえる町民自治の町でした。その精神を引き継ぎ、「酒田の良さ」を引き出して継承することが求められています。
 また、山(鳥海山)あり、川(最上川)あり、海(日本海)あり、島(飛島)ありの恵まれた自然の中、都会とは一味違ったライフ・スタイルを楽しむこともできます。
 法人会は全国組織であり、全法連・東北6県連そして山形県連との連携をとりながら、県内はもちろん、近接県とも交流しつつ、「酒田の良さ(現実)」を確認し、将来に向けての姿を模索していく「場」とも考えています。

■これからも

 法人会の役割をどう捉えるにしても、設立当初、あるいは会員数がどんどん増えていった頃とは、いろいろな点で変わってきていることは間違いありません。
 しかし、1,200を超える会員を擁し、70年以上の歴史を誇る酒田法人会のこれまでの活動を顧みると、まだまだやれること、新たにチャレンジすべきことがあります。税制度だけでなく、社会情勢、国際情勢も大きく変動する中にあって、様々な情報を共有し合いながら賢い選択をしていく、その一助となるために、法人会をしっかり維持していきたいものだと思っています。
 今だからこそ、「地域の問題は地域で!」を基本に、多くの知恵を結集して問題解決を図るためにも、酒田法人会への多くの会員参加を求めてやみません。